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2011年11月 5日 (土)

商工ローンと手形割引と銀行屋

このエントリはネッタイムス・ブログのアーカイブと言う事で、過去記事なので宜しく。

一般的には、金融屋って良いイメージが無いよね?、金貸しとか高利貸しとか、キツい取り立てやら、何たらかんたらでね。
あの「カネが無かったら肝臓売れ!」って言う「商工ローン問題」等も有って、更にイメージが悪くなった訳だ。
「カネを貸す時は天使の様に微笑み、カネを取り立てる時は悪魔の様に恐ろしい。」とね。
しかし、である。金融屋を一括りに纏めて全てが悪いってのは如何なものか?、現状は?。言うのが今回のエントリ。

商工ローン問題で一躍名が知れた。って言っても、悪い意味で知れちゃった商工ローンなんだが、よく広告で「事業者向け金融」「ビジネスローン」「手形貸付」「小切手貸付」「手形割引」とか出してる金融屋。
その商工ローンにしても、事業者が何故、高い金利にも拘わらず商工ローンを利用するのか?。と言う話をする。
先ず事業を始めるには当然として、カネが要る訳で、事業を興す時には銀行屋から融資を受けて商売を始める。
まぁ、事業内容にもよるが、自己資金で事業を興す場合も有るが、一般的には銀行融資で商売を始める訳だ。

唐突だが、今から例え話をしよう。って事で、業種は建設業にでもしとくかな。まぁ、あくまでも例え話だから、気軽に読んで下され。
建設関係で長年働いて技術を身に付け、人脈もそこそこ出来たし、独立して一国一城の主になろう。と言う事で、銀行から融資を受けて商売を始めました。
さぁ、会社設立して商売を始めよう、それには建設機械やら何やら道具が必要だ。と言う事で銀行から借りたカネを使って建設機械一式を揃えました。
建設機械一式も揃えたし、元請けから仕事を貰って、現場でバンバン働くぞ。って感じで、会社運営をして行く訳だ。

現場を回って仕事をするにもカネが必要だ。まぁ、当初は銀行からの融資が有るので、当面は何とかなるだろう。
建設関係だから社長は当然として丼勘定だ(笑)。まぁ、建設業の社長連中は全部が全部、丼勘定じゃ無いけどね(笑)。この方が話が面白いでしょ?。
丼勘定の社長は仕事をこなせばカネが入るから無問題だぜ。って事で元気に現場で働く訳だ。

元請けから仕事を貰い、その仕事をこなせば当然としてカネが貰える訳でね。まぁ、当たり前の話だな商売だからね。
元請けとのカネの遣り取りで、仕事の〆日と支払日の関係は各会社で様々だが、カネの支払いに付いては、不景気になって変わった所も多いが、建設業は基本的に「半金半手(はんきんはんて)」が多い訳でね。
「半金半手」と言うのは読んで字の如く、半分は現金で、半分は約束手形で支払う事であるが、これが結構、曲者なんだわ。

半金半手は〆日との関わりも有って、そのスパンが長ければ半分の現金を手にするまで時間が掛かるし、残金の半分が手形だから、更に時間が掛かるって事だな。
約束手形は支払日になるまでは只の紙切れだから、半分の現金は運転資金で使えるが、半分の手形分は支払日まで使えない訳だ。
それでも現金を手元に置いときたい。って事で手形の現金化。手形の割引をして貰う。

「手形割引」で最初から、漫画「ナニワ金融道」で言う所の「帝国金融」、つまり街金(市中の金融屋)に飛び込む経営者は先ず居ない。
「ミナミの帝王」で言う所では「萬田金融」の「萬田銀次郎」、つまり闇金に手形割引する経営者は絶対に居ないだろうね(笑)。
一般的に考えて、最初に手形割引を依頼するのは取引銀行だな、割引料(金利)も低いしね。
そんなこんなで手形を割引して現金化し、運転資金に回して当面はオッケーだ、丼勘定の社長も一安心って所だな。

毎月仕事をこなして、毎月支払日が来て、手形分の割引をしていたら、銀行の割引枠が一杯になる。
当然の事だが、銀行屋も無尽蔵に手形を割引する訳も無く、手形の割引枠ってのが有る。
「これは困ったな。」と丼勘定の社長も慌てる訳でね、人件費やら何やらで会社が払う資金が必要なのにカネが無い。
「集金した手形は有るんだが、どうしたものか・・・。」と社長は悩む事になる。

そんな社長の目に留まったものがある。「ビジネスローン」「手形貸付」「手形割引」と書いた商工ローンの広告だ。
因みに、商工ローンの勧誘では、勿論、紙媒体等の広告も有るが、一番多いのは「テレフォンアポイント」だったね。
「商工ローン問題」やら「改正貸金業規制法」以後は知らないけどさ。
丼勘定の社長は、その商工ローンの広告を手にし、広告に書いてある電話番号に連絡する訳だ。
「お電話、有り難う御座います、帝国金融です。」
それが丼勘定の社長と、商工ローンとの付き合いが始まる切っ掛けだった。

先ずは手形割引だが当然、銀行屋と比べれば金利が違うよね。
銀行屋は手形の信用度に関係無く、まぁ、リーズナブルな金利(笑)で、割引をするが、商工ローンは信用度によって割引料が大きく違う。
手形の信用度ってのは、手形の振り出し人によって違う訳でね、一流企業や、そこそこの会社なら割引料は安くなり、それ以外なら当然の様に高い訳だ。

丼勘定の社長は、銀行屋の割引枠が一杯になる度に商工ローンに手形を持ち込む事になる。
当初は高い金利の為に、商工ローンの利用は躊躇するが、「慣れと言うものは恐ろしい」って事で、だんだん慣れてくる訳だ。
そうなって来ると次は自社の手形を切ってカネを借りると言う「手形貸付」を利用するのも敷居が低くなる。

まぁ、資金繰り云々では、一番最初に融資を申し込むのは銀行屋なんだがね。
銀行屋は例の如く、提出書類が多くて手続きが煩わしく、書類を提出しても審査が厳しかったり等々。
銀行融資を受けるのには幾つものハードルがあり、面倒臭いから、商工ローンに手を出すってパターンが多い。
まぁ、安易に街金に手を出す経営者って、どうなのよ?。っのは大きな問題だが、目先のカネの為には「背に腹は代えられない。」と言うのが実情だ。

バブル経済崩壊後の銀行屋は、他人の事を心配する余裕が無い位に経営状態が厳しく、バブルの頃の過剰融資が祟り、不良債権処理で手一杯な訳だ。
当然、融資先に対しても対応は厳しく、問題債権で無くとも、追加融資をしない所謂「貸し渋り」や、融資先に返済を迫る「貸し剥がし」が横行していた。
銀行屋の「貸し渋り」「貸し剥がし」に付いての詳細は省くが、銀行屋に勤めている人や関係者は判るだろうが、銀行屋は取引先に対して、かなりエグい対応をしていた訳だ。
銀行屋は、昔から「晴れてる時に傘貸して、雨が降ったら取り上げる。」と言われるが、それが更に強くなった感じだ。

商工ローン等の金融屋は、所謂ノンバンクだから、銀行屋の様に預金を預かる訳でも無く、原則、担保物件も不要な為、金利や手数料が高いのは至極当然の事だな。
よく「無担保無保証」を謳い文句にしている金融屋が居るが、その様な金融屋は貸し倒れリスクが高くなる為、金利が高いって話。
昔から「信用貸し」ってのは、高金利でカネを貸すのは当たり前だな。

まぁ、実際には、客の信用度にもよるが「無担保無保証」とは看板だけで、なるべく保証人を付けてカネを貸すんだがね(笑)。
客の方は、なかなか保証人を付けたがらないが、そこらを何とかして保証人を付けさせるのが、金融屋の「腕の見せ所」って奴だ。
保証人を付けた方が、貸し倒れリスクが減るからね。金融屋からすれば、街金で摘んでいる様な客は必ず「飛ぶ」ってのが原則だからね。

まぁ、あれだ。経営者が金融屋を利用するのは、基本的に銀行屋がカネを貸さないから仕方が無く、商工ローンに走った経営者も多くて、サラ金から摘んでいる経営者も居る。
兎に角、資金繰りに窮して、どうしようも無い時に、貸してくれるのが商工ローンやサラ金だったのだ。
だから、借り入れの申し込みをして、融資を受ける時は金貸しが「天使の様に見える」って事だな。

商工ローン等の事を色々書いた訳だが、長くなったので今回はここまでと言う事で、最後に一つ。
客が「借入明細書」を見て街金に言った、「アンタら、アイスキャンディーみたいだな。」と、それを聞いた街金が客に「どういう意味ですか?。」と尋ねた所、客が「氷菓子(高利貸し)」と答えた訳だ(笑)。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】

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