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2011年12月27日 (火)

福島第一原発の事故調査委員会が中間報告

東京電力の福島第一原発事故に関する、政府の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大学名誉教授)は26日、中間報告を纏めて野田佳彦首相に提出した。
事故調査・検証委員会(事故調)は、1号機にある非常用の原子炉冷却装置(非常用復水器)を全運転者が作動させた経験が無く、訓練も受けていなかった等、各号機の冷却操作で不手際や認識不足があり、炉心損傷を早めた可能性がある事を指摘し、東電は原子力事業者として極めて不適切だとした。

また、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を活用せず、自治体への伝達も遅れ、「ともかく逃げよ」と言っているだけだ。として、政府の避難指示の出し方を厳しく批判。
中間報告は「国、東電は津波による過酷事故(シビアアクシデント)を想定せず、自然災害と原発事故の複合災害と言う視点も無く、対策を講じなかった」と認定した。

事故調は、これ迄に計456人から聞き取り調査を行い、資料と合わせて約700ページの中間報告を纏めた。
中間報告では、福島第一原発事故の経緯や原因の分析に留め、メルトダウン(炉心溶融)やメルトスルー(溶融貫通)、水素爆発を回避出来たかどうかの是非に付いての判断や、東電や政府の責任追及は見送った。が、津波への備えや非常時の原子炉の冷却で東電の対応に甘さがある事を指摘。
今回の大地震による巨大津波の様な稀にしか起きない自然災害でも、想定外として無視せずに対処すべきだと提言した。

福島第一原発事故は、巨大津波で配電盤が浸水して全ての電源を失い、原子炉を冷却する事が出来なくなった為にメルトダウンやメルトスルー、そして建屋で水素爆発を引き起こした。
東電は2008年に最大15.7メートルの津波が来る可能性を予測していたが、津波発生の根拠が不十分として何の対策も行わなかった事に、東電のみならず国も津波によるシビアアクシデントを想定しなかったと問題視した。

こうした点を踏まえ事故調は、「(原発の安全対策では)想定以外の事が有り得る事を認識すべきだ。今回の事故は想定外にどう対応すべきか重要な教訓を示している。」と報告。
事故調は今後、来年夏に予定される最終報告に向けて、年明けから菅直人前首相らに聞き取り調査を行い、政府の初動対応が適切かどうか等も含め、詳細を纏めると言う。

事故調の中間報告では、事故原因の本質や政府の対応等の報告が曖昧であり、まだまだ不十分なので今後の調査に期待したいのであるが、事故調で本当に原発事故の原因や問題点の真相を究明し、追及する事が出来るのか疑問符が付く。
原発事故を巡っては、当時の菅政権の面々が行った対応に付いても問題点が多く見られ、政府の行動が適切だったかの是非が問われている。

その政府対応の検証を同じ民主党の野田政権が追及する事が出来るのか?。
また、事故調が調査する際の権限や、報告書で出た調査結果への対応はどうなるのか?。
例えば、東電や政府に重大な問題があったと報告された場合、事故調の報告には何の法的拘束力は無いのだから、民主党がパフォーマンスで行った事業仕分けと同じく、曖昧なままで終わるのではないのか?。との強い懸念を抱く。

1979年に米国のスリーマイル島で起きた原発事故を受け、カーター大統領(当時)が設置した事故調査委員会では、政府の影響力を排除し、公正な調査を行う為の組織作りをしている。
日本の調査委員会でも、利害関係が生じない第三者組織を作り、政治的中立や独立を確保し、法的拘束力があって強い権限を持つ機関として設置しなければ、原発事故の原因究明や責任の所在を明らかにする事が出来ないのではないか?。

日本では何らかの問題が生じた時に、徹底的に検証する事も無く、何時も責任の所在が曖昧であり、誰一人として責任を取らない。
当ブログのエントリ、財源不足になった原因を検証しろにも書いたのだが、消費税を導入してからの経済や財政状況等を検証をする事も無く、ただ増税と声高に叫ぶだけである。
失われた20年と消費税の導入との関係、経済政策や景気対策、財政問題の本質を徹底的に検証する事も無く、またしても増税ありきのみで物事を進め様としている。

問題が生じたら、ナアナアで有耶無耶にして時間ばかりが経過して、そして曖昧なままで終わってしまう。と言うのが、日本の場合には多すぎる。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言う言葉があるのだが、事実を客観的に捉え徹底的に検証して、今後に活かさなければ愚者にも劣ってしまう。
未曾有の大事故である福島第一原発事故を検証する事と責任の所在を明らかにする事。
そして、現在進行形で放射能汚染が拡大している事への対応や検証を行う事が喫緊の課題である。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】

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