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2012年5月23日 (水)

火力発電用の低価格燃料と酸化鉄化合物

東京電力の福島第一原発事故後、原発に対する不信感等もあって原発が再稼働されず、火力発電の需要が急増しているが、高い燃料費が電力会社の経営に影響を与えているの御存知の通り。
電力会社の経営悪化は、掛かったコストを電気料金に上乗せする「総括原価方式」によって、利用者が負担する事になるので、我々庶民も他人事では無く、耳が痛い話である。

そんな中、本日の日本経済新聞によると、エンジニアリング会社の日揮は、火力発電用の「低価格燃料」を開発し、2015年から生産を始めると言う。
新燃料は、これまで利用しにくかった「低品質石炭」を技術革新によって有効活用し、3〜5割安い価格で重油の代替を目指すらしいから、火力発電の燃料費の負担が軽減される訳だ。

低品質石炭は、水分の比率が高く燃えにくい為、そのままでは使えず利用する事が難しいと言う。
低品質石炭は「褐炭」と言う名前の石炭が代表的で、一般的な石炭は水分が20%と低いが、低品質石炭は水分の比率が30%を超える。
世界で採掘可能な石炭埋蔵量のほぼ半分を占めるが、そのまま燃やしても余り発電せず、乾燥すると自然発火する等、扱いづらい為、用途が殆んど無く大半が手付かず状態。

日揮の技術は低品質石炭を一旦粉砕し、高温高圧にして水分を抜き、添加剤等を加えて液体燃料へ加工する。
燃やすと重油とほぼ同じ発熱量があり、通常の石油火力発電所で重油の代わりに使えると言う。
低品質石炭は、世界で採掘可能な石炭埋蔵量のほぼ半分を占めるのに用途が殆んど無く大半が手付かず状態と言うのは勿体無い話なのだが、日揮の新技術により使い道の無かった低品質石炭と言う資源が有効活用される訳だな。

福島第一原発事故後、巷では徐々に原発エネルギーへの依存度を減らす「脱原発依存」と言う言葉がよく聞かれるのだが、それには「代替エネルギー」をどうするのか?。が、大きな問題となる。
原発の代替エネルギーでは現在、「火力発電」「水力発電」「太陽光発電」「風力発電」等が主流だが、原発の代替としてエネルギーを安定供給すると言う面では、まだまだ不十分と言わざるを得ない。
その他、地震大国である日本の特性を生かした「地熱発電」も有るのだが、何れか一つで原発の代替エネルギーにはならない為、様々な代替策が必要となる。

エネルギー資源では、メタンガスと水分子が結合して出来た氷状の固体物質で「燃える氷」と言われる「メタンハイドレート」や、「石油を作る藻」と言われる「オーランチオキトリウム」等、色々と研究開発が進んでいるのだが、技術的な問題やコスト面で算盤を弾くと採算が合わないと言った事もあり、原発の代替エネルギーで即戦力とはならない様だ。
しかし、将来性を鑑みれば、日本近海で埋蔵量が多いとされるメタンハイドレートは、資源の少ない日本にとっては「期待の星」であり、オーランチオキトリウムも今後の研究開発次第では代替エネルギーの一つになりうる可能性も有る。

ここまで読んで、今回のブログエントリのタイトルにもある「酸化鉄化合物」と言う言葉が出て無いと思われた方、お待たせしました(笑)。
このブログを読んでいる方に、是非とも覚えて欲しいのが、「酸化鉄化合物のソーラーパネル」と言う言葉。
この酸化鉄化合物のソーラーパネルも将来性があり、原発の代替エネルギーの一つとして期待されている。
今はまだ研究開発の段階で余り知られていないのだが、酸化鉄化合物のソーラーパネルは「光の吸収率が高く、赤外線の光でも吸収出来る」と言う優れ物なのである。

光の吸収率が高いから太陽光をエネルギーに変換する効率が良く、赤外線の光でも吸収出来ると言う事で、理論的に考えれば月の光もエネルギーにする事が出来る訳だ。
太陽光発電のみならず月光発電とは夢の様な技術なのだが、残念ながら実用化はまだ先になりそうである。
今回の日揮による火力発電用の低価格燃料もそうだが、一つ一つの努力の積み重ねが大きな技術革新に繋がる訳で、技術者の方には頑張って頂きたいね。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】

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