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2012年6月18日 (月)

弱者の恫喝で綱渡り金策外交のギリシャ

欧州金融危機の震源地であり、財政内容が破滅的な状態として、欧州連合(EU)等から支援を受け財政再建中のギリシャで17日、国会(1院制・300議席)再選挙の投開票が行われた。
選挙結果が欧州金融危機の行方に大きな影響を与える為、世界的に注目が集まった今回の選挙は、前回5月6日の総選挙で過半数を獲得した政党が無く、連立交渉も不調に終わり、政権の樹立に至らなかったので再選挙となった訳だ。

選挙するにもカネが掛かるので、前回の総選挙で政権樹立して新体制で財政問題に取り組むべきだったのだが、どうもギリシャ国民は自国の置かれている状況を理解せず、危機感が欠如している様で、まぁ、そんな民度と言うか、そんな「お国柄」だからこそ、財政問題がここまで悪化したのかも知れないな。
何れにせよ、今回の選挙の争点は、財政緊縮策支持派の新民主主義党(ND)と反緊縮財政派の急進左派連合(SYRIZA)が第一党を争い、支持率が拮抗する中、緊縮財政派のNDと全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が、合わせて過半数(151議席)を超す議席を獲得し、連立政権を樹立する事が出来るのか?。である。

今回の選挙で緊縮財政派が破れ、反緊縮財政派が勝利して、EU等からの支援の条件である緊縮策を拒否すれば、EUは支援を打ち切る姿勢を見せており、そうなるとギリシャは「ユーロ圏からの離脱」や「デフォルト」と言った最悪の状態を招く恐れがある。
そんな状況下で行われた選挙なのだが、緊縮財政派であるNDのサマラス党首は「国民は再選挙でユーロ圏残留を選択した」「ギリシャだけで無く、ヨーロッパ全ての勝利だ」と述べ、勝利宣言した。

サマラス党首は「ギリシャ国民は今日の再選挙で欧州の道を選び、ユーロ圏と欧州に留まる事を示しており、我々は今後、政権を樹立させ、ギリシャの信頼を回復して行く」とし、「もはや危険な賭けは無い。ギリシャの欧州に於ける立場に疑いの余地は無い。国民の犠牲は実を結ぶ」とコメント。
また、選挙戦での公約通り、ユーロ圏諸国との支援条件の合意を堅持し、成長促進策の導入に取り組む意向を改めて示したのである。

一方、SYRIZAのツィプラス党首は選挙での敗北を認め、「我々は緊縮策に反対する国民の代表として、野党に残り今後も政府を監視して行く」と述べている。
今回の選挙結果は、ギリシャの緊縮策が継続され一先ず落ち着いたとして、世界の金融市場でも軒並み好感が持たれ、投資家等に安堵感が広がっている様だ。
しかし、今回の選挙で緊縮財政派が勝利しても、ギリシャを取り巻く状況は何も変わっておらず、厳しい債務状態は続き、遅かれ早かれギリシャは財政破綻するのではないかな。

ギリシャの財政問題に付いては当ブログでも、ギリシャの財政問題は危機的状況等のエントリで色々と書いているのだが、この問題の最大の懸念はギリシャのデフォルトはギリシャ一国の破綻に留まらず、危機的な財務状態にある「PIIGS(ピーグス)」を中心に欧州全域に飛び火する事なのである。
ギリシャだけの破綻で済むのなら、とっくの昔にギリシャを破綻させていると思うのだが、それが出来ない所にこの問題の根が深い事が判る。

先に述べた「PIIGS」とは、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの頭文字から取って付けられた名前なのだが、これらの国は財務内容が悪く、財政破綻の危険性が高いとされている。
ギリシャのデフォルトがPIIGSに波及すると、他の欧州諸国も多大な影響を受ける為、何としてでもギリシャのデフォルトは避けたいのだが、その当事国であるギリシャが他力本願なのだから始末が悪い。

端から見るとギリシャは、その状況を逆に利用している様に見え、「我々が破綻すると、欧州全域のみならず、世界的な金融危機となって、大恐慌が起こりますよ!、それが嫌なら我々を助けなさい」と、ギリシャを破綻させれば、困るのは貴方達だとする、まるで「弱者の恫喝」と言うべき姿勢なのである。
一事が万事こんな感じでは、ギリシャを支援する欧州諸国は頭が痛いだろうし、支援国の中で一番カネを出しているドイツ政府とドイツ国民が苛立ち、頭に来るのも至極当然であり、何時もカネを集られている我が日本の国民も他人事とは思えないだろう。

では何故、ギリシャ国民の中に緊縮財政策に反対する人達が居るのか?。である。が、反緊縮財政派のSYRIZAの主張を大雑把に書くと、「財政破綻の危機にある我が国だが、他国に色々と干渉されるのは国家主権の侵害であり内政干渉だ。」として、「国家を護りたい愛国者は、他国による内政干渉を阻止する為に立ち上がれ」と言う事なのである。
つまり、ギリシャが財政難だからと言って、アレコレと口を出すんじゃねえよ、だけど支援はしてね(ハート)。って事だな(笑)。

まぁ、ギリシャの主張は、税金滞納した債務者の家に、裁判所の許可を得て差し押さえに来た役人に対して、「人の家の中に、勝手に他人が上がり込んで来て、ベタベタと差し押さえの紙を貼るんじゃねえよ」と言っている様なもんなんだが、そんな偉そうな口を利くギリシャに支援国はと言えば、ウルフルズの曲では無いが、「貸したカネ返せよ、貸したカネ返せよ、貸したカネ返せよ、貸したカネ、端ガネじゃねえぞ」と言っている訳だ。

そして、カネを返す為に無駄遣いを止めて「質素倹約」に励み、きちんと約束事を果たせば支援しますよ。とね。
今までにEU等は、ギリシャのデフォルトを阻止する為に債務の圧縮をしたり、金銭的な支援をしたりと散々動いているのだが、当事国であるギリシャが我が儘を言う子供の様に「現実逃避」して周囲を困らせていた。
それでも約束事を守らないギリシャに対して、EU等が強烈な圧力を掛けた事で、やっとギリシャも重い腰を上げて、緊縮財政路線に走り出した矢先に、緊縮財政で生活が困窮したとして、ギリシャ国民が反発したのが、前回の総選挙だった。

今回の選挙では、何だかんだと大騒ぎした割りには、緊縮財政路線を国民が受け入れただけなのだから、ギリシャの財政問題は何も変わらず、根本的な解決には至っていない訳である。
結局の所、問題が先送りしただけでギリシャは相変わらず「弱者の恫喝」を続け、「瀬戸際財政」の「綱渡り金策外交」と言う状況で、ズルズルと破綻の先延ばしをするのだろう。
一体全体、何時までこんな状態が続くのだろうか?。って事なのだが、どうせギリシャは破綻するのだから、とっとと破綻させた方が良いと思うが、さて、どうなる事やら。
今後もギリシャと欧州の動向に注目である。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】

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