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2013年3月27日 (水)

衆院選の選挙を無効とする判決

当ブログのエントリ、広島高裁、2012衆院選は無効の関連エントリと言う事で。
同エントリに書いた様に、昨年12月16日に投開票が行われた衆院選の、「一票の格差」を対象にした裁判が3月25日に広島高等裁判所で行われ、筏津順子裁判長が一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡した訳だ。
この選挙無効判決は、衆議院の選挙区画定審議会が昨年11月26日から区割りの改定作業を始めた事を重視し、選挙無効は作業開始から1年後に当たる今年11月26日の経過を以て発生するとしている。

期限付きとは言え、広島高裁は一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡したのだが、国政選挙を無効とする判決が言い渡されたのは戦後初の事である。
この歴史的な判決が出た事で、iPhone(アイフォーン)発売日に登場する事でお馴染み「ビッグウェーブ男」の「乗るしかない、このビッグウェーブに!」みたいな感じで、広島高裁の無効判決に続けとばかりに26日、広島高裁岡山支部の片野悟好裁判長も一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡した。

まぁ、裁判官が「乗るしかない、このビッグウェーブに!」みたいな乗りで、裁判の判決を出されたら大変困るので、そんな事は無いとは思うが(笑)、広島高裁の本店に続いて支店までも衆院選の一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡した。
しかも、である。広島高裁本庁の期限付きとは違い岡山支部は、期限無しと言う更に厳しい姿勢を示した訳だ。

昨年12月の衆院選を巡る「一票の格差」訴訟では、広島と岡山の他にも選挙を無効とする裁判が行われているが、何れも選挙無効判決は回避している(26日現在)。
1区と2区で選挙無効の判決が出た広島は、26日に3区の裁判も行われたが、違憲では有るが選挙の無効まで至っていない。
因みに、最も有権者数の少ない高知3区と比べると「一票の格差」は広島1区は1.54倍、同2区は1.92倍、同3区は1.73倍、岡山2区は1.41倍となっている。

昨年12月の衆院選は一票の格差が最大で2.43倍だったのだが、広島1区、同2区、同3区、岡山2区の格差は2倍を超えていない。
そして、岡山2区の1.41倍、広島1区の1.54倍、同2区の1.92倍の間に位置する1.73倍の同3区は選挙無効の判決が出ておらず、選挙を無効とする基準が裁判官に依って分かれている。
ここら辺を見ると、裁判官の葛藤を推して知る訳だが、裁判官が判断し易い様に、一票の格差の基準を決めてしまえば判り易いと思うが、この基準を裁判所が決めれば三権分立に反して「司法の優越」だと言う事になるのだろうか?、難しい問題である。

となると、基準を決めるのは司法では無くて立法府、つまり政治家が決めると言う事になるのだが、そもそも「一票の格差」問題が、ここまで大きくなったのは、格差是正に付いて本気で取り組まなかった政治家の怠慢が原因なのである。
特に、2009年8月の衆院選は違憲状態とした2011年3月の最高裁判決が出たにも関わらず、民主党政権が何もせずに放置し続け、昨年12月の衆院選は、一票の格差が最大で2.43倍と、前回4年前の衆院選の2.30倍よりも更に格差を拡大させてしまった事が、この問題を拗らせた原因と言えるのではないか。

25日の広島高裁の選挙無効は、予想外の判決とあって原告側には「勝訴」の垂れ幕も無く、「違憲判決は予想していたものの、選挙無効まで踏み込むとは思っていなかった。無効の時のコメントは用意していなかった」と関係者が言う程、驚きの判決だった訳だ。
これらを見て私は、最高裁の違憲審査権を無視し、放置プレイをし続けた立法府に対する「司法の怒り」を感じるのだが、如何に素人集団と揶揄され、政治的未熟児が集う民主党が、政権を担当していたとは言え、与党だけで政(まつりごと)を行う訳では無く、野党にも責任がある。

昨年の消費税増税関連法案が可決される前、民主党、自民党、公明党(民自公)の「だんご三兄弟」ならぬ「談合三兄弟」が、大政翼賛会みたいな翼賛体制で三党合意と言う名の「三党密室談合」と言うか、談合三兄弟の民自公三党に依る「野合」が行われたのは記憶に新しい所だが、その際に当時の民主党・野田佳彦首相、自民党・谷垣禎一総裁、公明党・山口那津男代表の間で、消費税増税関連法案が可決されれば、速やかに解散すると約束した訳だ。

この即時解散の約束は、なかなか履行されなかった為、野田首相が「嘘吐き総理」と呼ばれたのだが、この解散の約束をした時に、何故、「一票の格差」の是正を取り決めなかったのか、甚だ疑問である。
解散の話をするなら、解散の先に有るのは選挙であり、その選挙で「一票の重み」が違う事が問題視され、最高裁で違憲状態と言い渡されたのに、その問題を放置し続けるとは、政党のトップが揃いも揃って頭がスッカラカンであり、これはアンポンタンのポン助としか言い様が無いね。

解散、解散と騒ぎながら、その先にある選挙の事を重視せず、一票の格差問題を是正しないのだから話にならない。
まぁ、この民主党政権の時に、放置プレイした事だけが問題では無く、それまでの歴代政権が一票の格差の問題に真っ正面から向き合わず、抜本的な問題解決を怠って来た事が諸悪の根源なのである。
政治家の先生方も、私利私欲や党利党略と言った、自分達の既得権ばかり考えず、一票の格差問題を抜本的に解決する為に、小手先だけの是正では無く、選挙制度改革に本気で取り組んではどうだろうか?。

政治的混乱が生じるのを避ける為、最高裁では選挙無効判決が出ないと思うが、仮に選挙無効となれば、選挙を遣り直す事になり、選挙を行うにはカネが掛かるが、そのカネは税金から出される訳だ。
選挙費用のみならず、選挙無効となったら政治的混乱が生じる訳で、そうなると一番迷惑を被るのは我々国民である。
そんな事態を避ける為にも、速やかに選挙制度改革に取り組むのが政治家の使命と言えるだろう。

まぁ、あれだ。一票の格差問題や選挙制度改革に付いて、書きたい事は犬の糞ほど沢山あるが、今日の所はこの辺で。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】

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